2017年6月議会定例会一般質問の概要報告
2017年6月9日、宮田村議会定例会本会議において一般質問に立ちました。質問と答弁の要旨を報告します。
ふるさと納税の功罪と向き合う
●質問[制度設計そのものや返礼品のあり方をめぐり、個人版ふるさと納税の意義が問われるようになる中で、宮田村としてのスタンスをお尋ねしたい。]
○答弁(村長)[平成20年度は25万円の寄附があり、その後徐々に増え、28年度は8,574万5千円となった。制度自体が過熱し、当初考えられた地域を応援するという趣旨から、返礼品を目当てにした制度に様変わりしてしまったと感じているが、むらづくりを進めていく上で大きなメリットになっている。返礼品は村内で生産される農産物、6次産業化で生産されたものなど、地域振興につなげられるよう取り組んできている。また、昨年から福祉施設にもお願いし、少しでも福祉の向上に役立っているのではないかと思う。]
●質問[自治体の首長の考え方を、ふるさと納税に関する考え方あるいは返礼に関する考え方、あるいはふるさと納税を活用する事業はどのような基準で選定しているかのか、村長のメッセージが現状あのり見えてない。ふるさと納税に対する宮田村の考え方について、もう少し発信をしていくべきではないか。]
○答弁(村長)[発信は特に大事だと思う。今、村では、自然環境と景観の保全、それから村民の健康と福祉の向上、それから教育、文化、スポーツ活動の充実、それから安全安心な地域づくり、それから子育て、活力に満ちた宮田村づくりの6項目の使途を設定して受け付けている。このあたりも発信しなければいけないが、ホームページのリニューアルも含めて総体的に発信してまいりたい。]
●質問[本来ならば自治体間の財政の不均衡を調整するのは地方交付税である。この地方交付税の堅持が非常に重要であり、ふるさと納税があるからそれはいいという話にはならない。不交付団体から不公平だという話も出ている中で、1つの自治体の首長として、こうした制度の見直しについてはどういう考えを持っているか。]
○答弁(村長)[返礼品の3割というのももちろん、一定の規定の中でこうあるべきだという方向は示されている。総務省の指針の中で取り組んでまいりたい。]
●質問[専用サイトの活用や返礼品の充実も大切な視点ではあるが、個人版ふるさと納税の使途と活用実績をより具体的に示していくべきではないか。]
○答弁(村長)[村は自然環境だとか福祉だとか6項目でやっているが、そのやった後の事業について、ホームページで公表しておりますが、具体的な形ではできていないのが現実。ふるさと納税のホームページは独立した形で年度当初に変更したが、今後、使途についても、写真等も掲載しながらもっと具体的に見える化していきたい。]
歴史的建造物の保全と利活用
●質問[歴史的建造物の老朽化が深刻化していることを踏まえ、本格的な調査の実施を検討すべきではないか。また、村長部局としても調査体制づくりへの積極的な支援を考えていくべきではないか。]
○答弁(教育長)[これまでの調査が十分であったとは言えない。宮田村第5次総合計画後期基本計画では、宮田宿や埋蔵文化財について調査を実施し、調査結果は報告書として公開すると言及している。また、景観計画で指定された宮田宿以外の歴史保全区域に関しても何らかの調査をしていかなければならないと感じている。そのために、できるだけ早く、7月をめどに、村の文化財保護審議会で、歴史的建造物に対する今後の調査のあり方について諮問をしながら、審議会の皆さんとともにこの記録あるいは調査について一定の方向を考えていきたい。]
○答弁(村長)[支援については、教育委員会や文化財保護審議会との検討、協議を持ちながら、該当する建物が歴史的建造物になるのか、保存していく価値があるのかなど判断することが重要だと考えているが、教育サイドとの連携をとりながら、保存する価値のあるもの等判断する中で調査を行っていく必要があると考えているし、村もしっかり支援してまいりたいと考えている。]
●質問[歴史的建造物の保全と利活用について、村としてどのような支援が可能なのか、制度づくりを検討する必要があるのではないか。]
○答弁(村長)[文化財、建造物の活用は必ずしも十分ではなく、今後の活用の促進に関する施策の充実が求められている。宮田村景観計画で定めた歴史保全区域内に、歴史的、景観的に重要な建造物が存在する。宮田村の歴史や文化を知る上で重要なものであり、後世に残して利活用するためには、まず基本的な学術調査を早く進める必要がある。その上で、今後どのような保存、利活用が可能かを検討したい。国の登録有形文化財に登録の申請をするなどのほか、歴史的風致維持向上計画を市町村が作成し、国による認定が受けられれば、改修費用等の補助金が得られる制度も現実にあるので、研究をしてまいりたい。地域の皆さんとどんな取り組みができるのか、景観アドバイザーと相談しながら検討する。]
国道153号伊駒アルプスロード問題とまちづくり
●質問[伊駒アルプスロード問題の見通しと、県および村が果たすべき役割と責任についてお尋ねしたい。]
○答弁(村長)[最終的には村が責任を負っていく問題である。住民の利便性とか景観の問題もあるが、それらの声を私はどうしても吸収して上へ上げていくことが非常に大事である。誰も責任とらないということではなく、村が最終的には責任をとっていく問題である。一生懸命住民の皆様方の個々のご意見や要望を取り入れながら県と折衝していきたい。また、専門家の意見等も、一部入っていただいているが、今後の大きな課題として捉えているので、早急に考えていきたい。]
●質問[伊駒アルプスロードの開通による交通量の変化が市街地に与える影響について、沿線の開発規制を含め、どのように対応していくのか。]
○答弁(村長)[一番大事なのは宮田村中心街の人の流れをどうつくるかが非常にポイントだと思う。村の活性化には欠くことができない。村外から宮田村の企業に勤めている方にも宮田村で消費していただく視点を考えていかなければならない。盛り土やトンネル等が多いため、宮田村沿線は開発しにくい状況にあるが、どうしても、中心市街地活性化の面から見て、優良な農地の保全、また景観上の問題も含め、伊駒アルプスロード沿線はできるだけ開発されないことが望まれるし、大型店進出には全く消極的な考えである。]
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