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  • 執筆者の写真天野 早人

地域力の最大化をめざして、行政計画の実効性確保(一般質問)

2016年6月議会定例会一般質問の概要報告

2016年6月10日、宮田村議会定例会本会議において一般質問に立ちました。質問と答弁の要旨を報告します。


地域力の最大化をめざして


●質問[職員の地区担当制度の目的と現状について、どのように捉えているか。職員と地区の関わりは、どうあるべきと考えるか。]

○答弁(村長)[村民と行政が協力し合って地域づくりを進めていくために創設された制度で、地域と職員が一緒になって地域の課題を洗い出し共有し、その解決に協働して取り組んでいくこと。また、そうした取り組みが可能となるパートナーシップを築いていくことが、この制度の目的である。今の目的を踏まえ、これまでも毎年開催していた地区懇談会を昨年から若干変え、それぞれの地区で地区担当職員が主体となって開催する方式に改めた。さらに有機的に機能するように研究しながら前向きに進めていきたい。]


●質問[ワークショップをやってその後ですよね、職員が一緒に考えて具体的に次に進めていくということでありますけれども、そこで得た意見をどのように活用していくのか。]

○答弁(村長)[広聴活動が私は地区担当職員の業務の中に含まれると思っている。また、ワークショップが具体的なアクションにつながるところにつきましては、みらい創造課長からお答えしたい。]

○答弁(みらい創造課長)[地区担当を使って、まず初めには地域の皆さんの中に飛び込んで一緒になってご意見をいただいたり、そういったものを肌で感じながら村政に生かすという形の中で、広聴活動の場の拡大というのが非常に大きいことだが、新たな地区懇談会は単なる広聴活動ではなく、地域の課題を洗い出すのが1つの目標になっている。そして、その解決に向けてどうしたらいいのかというところを探るということで、村と地域とが一緒になってその課題解決をしていくというのが目的になっている。そういった部分では協働のむらづくりを進めるための第一歩を考えているといった会であるというふうに位置づけている。今回ようやく第1回を行い、具体的な部分でそれぞれの地域で抱えられている課題の洗い出し、それからそれをどうやったら解決できるのかというところまでは、第1段階としては見えてきたところがあるが、そのものを具体的な実施計画的な部分で解決に向けてどうやったらいいのかというのは、また今年度の中で地域の皆さんとともに話し合いをしながら解決をしていかなければいけない。そういった中では新たな取り組みを始めたということで、まだまだこれから検討しながら進めていかなければいけないということの課題が大きくあるということでご理解いただきたい。]


●質問[消防団員の確保と処遇改善に向けた今後の取り組みに関する考え。消防団員や住民を対象にした調査を行い、課題を抽出してみてはどうか。]

○答弁(村長)[消防団員の確保は現状として本当に苦慮している。本年度は区長の皆様にもお願いして取り組んできたが、13人の入団になっている。消防団員の確保は、本人の理解はもちろん、親、家族のご理解も非常に重要であることから、消防団員と家族を含めた支援策が必要となっていると認識している。消防団員、家族を対象とした村内の事業所、店舗等でサービスを受けられるといったサポート事業は、昨年度長野県が全県的にスタートさせた「信州消防団応援ショップ事業」にあわせ、村としても登録のお願いをしており、現在11事業所に登録していただいている。県内全域では1,031事業所に今登録をしていただいていおり、消防団員証の提示により本人、家族がサービスを受けられるようになっている。また、今年度は新入団員に対する褒賞を創設した。昨年度の特別職報酬審議会で、消防団員に対する報酬を引き上げる方向で検討を進めるよう答申があった。この意見を大切にもちろん尊重してまいりたい。あわせて、消防団活動の理解の促進、非常にこの部分が大事だと思っている。消防団は本当に村民また地域のために尊い活動をしていることを、もっと広報みやだや勧誘時のチラシ等でPRを行っていきたい。今後の具体的な処遇改善に向けては、消防団員へのアンケート等を行うことで課題や効果的な支援について研究してまいりたい。本当に思いきったインセンティブを何か検討しないとこのままではだめではないかと思う。どうしても来年の一般会計予算までには何らかの新制度を導入していきたい。]


●質問[来年度から消防団員の年報酬を増額する方向で検討していくのか。]

○答弁(総務課長)[消防団員に係る報酬は他と比べて若干低いところがあるという指摘をいただいているので、今年度の報酬審議会の中で委員さん等と協議し、上げるという方向で検討を進めていきたい。]


●質問[信州消防団員応援ショップ事業、あまり登録が進んでいない。これをもう少し登録をしてもらえるように村内の事業所に呼びかけるべきではないか。また、消防団員に対する制度のPRもあわせてやってはどうか。]

○答弁(村長)[これはどうしても増やす方向で働きかけしていきたい。団員の皆さんに事業を理解いただけるようなツールをつくって徹底していきたい。]


●質問[宮田村むらづくり基本条例を村政運営にどのように活かしていくのか。継続的に住民への周知を続ける必要性があるのではないか。]

○答弁(村長)[1月1日から施行され、村民・議会・行政の三者協働による、村民の皆様主役のむらづくりを進めることになったわけだが、行政としては現在、ご案内のとおり、既存の関係例規整備を進めている。また、基本条例を村政運営等に生かすためには、まず村民の皆様に、今議員触れられましたが、条例を理解していただかならない。村のホームページ、広報みやだへの掲載のほか、シンポジウムの開催、概要版の全戸配布、地区説明会などを今までも行ってきた。地区説明会の中では、「むらづくりの基本となる大事なルールを村民の方々にも周知してほしい」、また「行政区に入っていない方々にもこの条例を周知してほしい」といった意見も出されており、今後、行政区の未加入世帯への概要版配付を行う。また、長野県の元気づくり支援金を活用し、村民有志のご協力をいただき、漫画版むらづくり基本条例を本年12月までに作成し、中学校での活用を初め、さらなる村民の皆様への理解促進を図ってまいりたいと考えている。こうしたことが協働のむらづくりへの住民参加の増につながるとともに、地域活動の活性化が図られるのではないかと考えている。条例が施行されたからといって直ちに村民参加が進むことはなかなか難しいわけで、村民の皆様に行政区が実施する共同事業や村民参加イベントの情報などを積極的に発信する中で、少しずつあせらずに協働のむらづくりを進めていきたいと考えている。いずれにしても、住民参加に強制力はないので、積極的にアピールしていきたい。]


●質問[この概要版、ここにございますけれども、これは基本条例のエッセンスがここに詰まってなければならないと私は思うわけであります。ただこれをちょっと読んでみますと、若干違和感を感じるところがございます。例えば、第2章の「子供のむらづくりの参加」あるいは第3章の「議会」あるいは第9章の「住民参加」というところですけれども、全て「例えば」という前置きがされていますけれども、例えば子供のむらづくりへの参加というのは、子供が参加できる環境を行政とかが整えていくんだということでなければ、それが最初でなければならないのに、ならないはずなのに、子供が地域の行事に参加しようみたいな話が前に出ていますよね。それはちょっと私は違うのではないかと思いますし、議会については、行政の監視・評価という部分も柱の1つであります。それが落ちているように取れます。また、住民参加については、村長の語ろう会や提言箱、おしゃべりカフェみたいなものが例示されておりますが、これは「広報・広聴活動の充実」という別の項目がありますよね。ここで37条で議論をした内容を踏まえた解説にはこれはなっていないわけでございます。その個別の内容がどうなのかという話はきょうはしませんが、お聞きしたいのは、こういう資料を出すのであれば、せっかく三者で議論をしてきたものなわけですから、やっぱり住民の皆さんだとか議会も含めて少し「こんな内容でどうでしょうか」というような機会の配慮があってもよかったんじゃないかということを思うわけであります。今後もいろいろつくられる予定があるようでございますけれども、その辺、行政だけでつくっていくということではなくて、議会ですとか住民の声を幅広く聞くような機会を取っていただけるかどうか、それだけお尋ねいたします。]

○答弁(村長)[貴重なご意見です。住民参加の精神は今後も維持してやっていきたいと思っております。お願いいたします。]


行政計画の実効性確保


●質問[宮田村第2次行財政計画が2015年度で計画年度を終えた。計画の進捗度と次期計画の策定について、どのように考えているか。]

○答弁(村長)[財政健全化指標でいえば、実質公債費比率目標値14.5%に対して14.8%、将来負担費率は目標値62.7%に対して70.6%で、目標値に届かない状況。職員数の計画は95人であったものを、平成25年度見直しで96人として、現在96人の計画どおりで進めている。財政的な見通しは、近年の起債抑制や基金の積み立て、また下水道事業にかかわる償還金が減少に転じることから、財政指標はさらに改善すると予測しているが、各公共施設の老朽化や伊駒アルプスロードに関連する事業費など大きな財源を必要とすることが見込まれるため、しっかりと見通しを立てるとともに、常に見直しを図っていくが大事だと思っている。今のところは特に改めて計画を策定・公表することは考えていない。しかし、常に実質公債費比率、将来負担費率は予算をつくるときにしっかり視野に入れて計画的に予算をつくること、また予算執行していきたいと思っている。]


●質問[これまで継続して中期的な財政見通しを出してきたわけなので、今後もせめて財政シミュレーションくらいは毎年出すべきではないか。]

○答弁(村長)[毎年出すことは難しいことはない。そういう声があれば出していくこともやぶさかではない。簡潔な明瞭なシミュレーションを出していきたい。]


●質問[宮田村子ども読書活動推進計画が最終年度を迎えている。これまでの評価と今後の対応をどのように考えているか。]

○答弁(教育長)[子供の読書活動は、言葉を学び感性を磨き表現力を高め創造力を豊かにしていくためにも、あるいは人生をより豊かに過ごす上で欠かすことのできないものである。そんな点から、子どもの読書計画というものを国でも策定し、宮田村でも「宮田村うめっこ読書計画」ということで平成24年から作成させていただいた。この計画によりまして成果の一端を申し上げると、幼児期には福祉課とタイアップしながら7カ月の健診時にブックスタートを行い、その後また3歳の健診のときにセカンドブックということで、本の大切さを親御さんに話したり子供さんに読み聞かせをして絵本リストや保護者の希望する絵本を贈呈したりしてきた。これを契機にしまして村の図書館へ足を運ぶ親子の姿が多くなったというふうに認識している。保育園では、本を読んでもらった経験をたくさん持ってもらうために、毎日クラスで読み聞かせを行っていると聞いている。あるいは毎週1回園全体での読み聞かせも行っている。また、いつでもどこでも本を手に取れるように、部屋以外にも廊下の空きスペースに本棚を置きましていつでも読めるようにしている。小中学校では毎朝必ず20分の朝読書を行い、7月、12月には読書旬間を設け読書に取り組んできたというふうに聞いている。こういうことを通しまして、特に総合的な学習の時間などで図書館を活用した資料を用いて調べる時間が大変ふえたというようなことも聞いている。議員さんご指摘のように、本年度で次期の読書計画を作成する計画でございます。数値的な目標等を今後定め、過日、村の図書館運営協議会で、平成29年3月末までに新しい計画ができるように取り組む日程案を審議した。指摘いただいたことを大事に取り入れながら、新たな実効性のある計画をつくっていきたい。]


●質問[多種多様な行政計画を住民と共有するための取り組みは、どこまで進んだのか。]

○答弁(村長)[40を超える行政計画があり、事務事業を展開してきている。ホームページへの掲載、広報での周知、地区説明会など理解促進のための情報発信を進めてきたところだが、まだまだこれでは村民の皆様との共有は十分ではないと私は認識している。村民と情報を共有するためには、どうしても計画をつくる段階から積極的に村民の皆様に参加いただくということが非常に大事ではないかと思う。そして、計画策定ごとに進捗状況などをお伝えしながら多くのご意見をいただくこと。そして、全ての村民の皆様との情報を共有していくということが非常に重要だと思う。今後はむらづくり基本条例の理念でもある「村民の皆様が主役の笑顔あふれるむらづくり」のために、一層の住民参加をいただけるように参加機会の拡大を検討してまいりたい。また、あわせてまだまだ不十分である積極的な情報発信を行ってまいりたい。]

宮田人
​天野早人

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